海にまつわる縁起

漁師達は元来縁起を担ぐ。一般に、縁起の多くはその職業特有のものであり、漁師が担ぐ縁起もその例外ではない。豊漁シーズンを願う想いや、また恐ろしいシーズンを経験した後、言い伝えられているものである。以下がその例である。

  • 左足から船に乗ったり降りたりするな。
    これは、左利き用のものを嫌う船乗りに由来すると考えられている。
  • 船の上で口笛を吹くな。
    特に操舵室では。船乗りは船で口笛を吹くと強風が起こると考え、ここから「口笛が嵐を呼ぶ」という言葉がある。
  • バナナを船に持ち込むな。
    バナナが傷む前に荷揚げするために、熱帯地方からアメリカの港までは最速船がバナナを運んだ。バナナボートは非常に速かったため、その船から魚を釣ろうとしても、何も獲れなかったところから、この迷信が生まれた。もう一つの説は、ひと噛みで人を殺すある種の毒グモがバナナの束の中に好んで隠れる、というものだ。
  • 金曜日に船出するな。
    キリストは金曜日に十字架に掛けられたと信じられているため、この日は祝い、尊ばなければならない。したがって、金曜日の船出は不吉だと考えられている。また金曜日に船出した多くの船が海で行方不明になっている。伝説によると、英国の海軍はこの迷信に打ち勝とうとし、金曜日に、軍艦の起工、進水式、英国海軍艦船の命名を行い、更に金曜日に処女航海に出たところ、港に戻ってくることは二度となかった、と伝えられている。

ノースウェスタン号のキャプテン、シグ・ハンセンも同様に同じだ。以下はシグが個人的に担いでいる縁起の例だ。

  • 海に出る時は、必ず消しゴムつき鉛筆とポストイットを持っていく
    「どういうわけか、それらを持っていないとイライラする。持っていないと、船の向きを変えてそれらを取りに町に戻ってしまうだろう。」
  • 漁期でどれだけ稼げるかなんて計算はしない。いつも謙虚に感謝の気持ちを持って漁期に入る
    「野郎たちがその漁期でどれだけ稼げるか話していると嫌になる。傲慢な気持ちで挑戦して身のほど知らずに運命に逆らわないことだ。俺はいつも、謙虚で感謝を持った態度で漁期に入るんだ。海では何が起こるか分からない。」
  • 船にスーツケースを持ち込まない
    「これは何世代にもわたって受け継がれてきた古い迷信で、疑問の余地がない。初めての番組撮影のとき、カメラマンはカメラ一式をこのスーツケースのようなものに入れていた。俺は彼らにスーツケースを持ち込むことを許さなかったので、波止場において来ざるを得なかったんだ。」
  • バナナを持って船に足を踏み入れない
    「これは演技が悪い。俺が1月にダッチ・ハーバーで他の船に乗っていた時、調理室にはバナナがあった。信じられなかった。きっと最低な漁期だったに違いない」